日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

式について

高田崇史『QED 式の密室』を読了。高田さんの小説はミステリー。トリックがすっごいおもしろいというわけでなく、キャラクターにしても森さんの方がずっと好きなんだけど、ミステリーの本で買ってまで読もうというのは、この高田さんと森さんだけやね。高田さんの本でいいのは、日本史の裏側がストーリーの中に盛り込まれていること。これが何よりおもしろい。六歌仙のやつをM主に借りて読んだのがきっかけだけど、今回は安倍晴明。出雲国の由来が「出づ雲(=蜘蛛)」だったとか、しらないもんね。蜘蛛は朝廷に逆らった賤民のことなんだと。ってことは、差別されていた人たちを恐れる気持ちと神として祀る気持ちが…うおお、そうなのか。
日本人の、神とか鬼とかそういうものに関する考え方ってとても興味深い。一度じっくり本でも読んでみたいな。昔の人がどんな風に思っていたのか、今の文化がどうしてできているのか。そういう先祖から繋がって僕らの世界が、価値観ができている、というのがおもしろくて、新しい扉を開いてくれる。そんな風に読んでるから、ミステリーのトリックなんてどうでもよくなっちゃうんだよね。それなら専門書を買えばいいという噂はあるけどさ(笑)。そこまでの根性はないってことです。

QED 式の密室 (講談社ノベルス)

QED 式の密室 (講談社ノベルス)