日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

ウォルマート的世界で勝つ方法

ウィリアム・H・マーカード『WAL-MART エグい会社に知恵で勝つ』を読了。
ウォルマートがどれだけでかいか、というのは日本に住んでいる僕にはあんまりわからなかったりとかするのだけど、全世界の小売業の1%を占めている、ってのはたしかに巨大*1。で、そこに勝つにはどうすればいいのか、という本。

ウォルマートのDNAの中には、いくつかの強力な遺伝子があり、同社の有利な特徴の土台を成すリーダーシップと心構えをコード化している。この種の遺伝子はたくさんあるのだが、その中で特に注目すべきものは5つある。それらは、「一点集中」「誤りの修正」「建設的なパラノイア」「倹約」そして「自分たちのほうがもっとうまくやれる」という姿勢だ。(p.100)

企業として文化、DNAを明確に持っているっていうことがどれだけ強いことなのか、ということ。これをどうやってコード化し、誰にでもできるようにするか、というところは、これからの自分の仕事のやり方に入れていかなくてはならない考え方だなぁ、と感じた。
それともうひとつ、会議のファシリテーションの方法としておもしろいものがあったので、それもメモ。いいアイデアはたくさん出るけど、「そんなのできないじゃん」と否定が多い会議に有効かも。カリキュラムの中に取り入れることができないか、検討してみようかな、と。

シナリオへの検討に入って30分もすると、われわれは行き詰った。議論がまったく進展しなかったのだ。というのも、だれかが斬新なアイデアを提案するたびに、グループの残りが銃を撃ちたくてたまらないハンターの群れのようにそれを撃ち落してしまうからだった。「顧客はそんなふうには考えない」「工場は製品毎にすでに組織されているのだから、それを変えることなどできるわけがない」「こんなシナリオは実現などしない」。
切羽詰った私は、ちょっとした試みをすることにした。まず1人の役員にアイデアを出すよう依頼した。次に発言する役員には、発言を必ず「それに加えて(and)」という言葉ではじめてもらい、出されたアイデアに自分のアイデアをつけ加えるように頼んだ。みなが順番に発言をしていくと、なんと驚いたことに、押し寄せる波のように斬新なアイデアがつながっていった。アイデアを批判して、あっという間に墓場に送り出す代わりに、われわれはアイデアをつなぎ合わせて、新しい未来を切り開くことができたのだ。(p.230-231)

そのほか、ウォルマートがいかにプロセスを意識して組織を運営しているかなど、勉強になる点、多数。[→blog@Yui エグい会社に知恵で勝つ]

WAL-MART エグい会社に知恵で勝つ! (海外本格派実用書シリーズ)

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  • 作者: ウィリアム・H・マーカード,石渡淳元
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*1:wikipediaを読んでいるとまあ、労働条件の悪さとか、自国の雇用よりも自社の利益を優先して至りとか、いろいろと言われてもいるけど…