いつも被害者じゃだめだろ?
鷲田清一・内田樹『大人のいない国』を読了。
好きな書き手の2人が共著。楽しんで読みました。ぐぐっと来たのは以下の部分。
格差論や、ロストジェネレーション論の類を読むと、僕はちょっと悲しくなってくるんですよ。書いているのは三十代や四十代の人なんだけど、それだけ生きているということは、もう立派にこのシステムのインサイダーですよね。この世の中のシステムがうまく機能していないことについては、彼らにもすでに当事者責任があると思うんです。だから、そんなに簡単に「こんな日本に誰がした」みたいな言い方はできないと思うんですよ。でも、彼らの議論はいつも「自分は純然たる被害者である」という不可疑の前提から出発している。(p.12)
ああ、そうだなぁ、と思う。細かい部分はいろいろあるけど、基本的にこうして「自分が引き受ける」ということが足りないのかなぁ、と思う。ヒョーロンカじゃなくて、しっかり自分に引き受けて考える子どもを育てたいと思う。[→大人のいない国]
大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)
- 作者: 鷲田清一,内田樹
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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