非属の才能
山田玲司『非属の才能』を読了。大好きな漫画家 山田玲司が漫画『絶望に効くクスリ』でいろんな人にインタビューした経験から、大事なのは何にも属さない、それでも大丈夫な才能=非属の才能なんだ、ということを語る本。学校で評価される(成績になって見える)部分というのは、ほんの一部でしかなくて、それを認めてあげる理解者が身の周りにいてくれることが大事だよなー。おもしろかった。
山田さんのお父さんの子育て方針に感心。わかるけど、できないよ、なかなかこれは。待つ勇気というか、黙って見守る我慢強さというか。[→メモ:非属の才能]
父がよく言っていたのは、「自分の価値観は自分の世代で終わり。自分の人生は支えてくれたかもしれないが、子供の人生は子どもが考えるものだから邪魔しない」という種類のことだった。
つまり父は、僕にどうしろこうしろとは言わず、「自分の人生は自分で決めろ」と言っていたのだ。子供を未完成な人間と見るのではなく、ひとりの独立した個人として尊重してくれていたのだ。
これは、子供にとっては絶対的に信頼されたということで、同時にそれだけの信頼を裏切ることはできないという責任感が生じる。
(略)
たしかに、「自分の人生で学んだことを子供に伝えることができないのはおかしい」と反論する人もいるかもしれないが、それはまったく逆で、自分が自分の考えで生きることを認めてもらった子供は、親の言い分にも耳を貸せるようになるものなのだ。(p.67-68)
- 作者: 山田玲司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/12/13
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