日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

ずっと読みたかった、『日本海軍400時間の証言』

NHKスペシャル取材班『日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦』を読了。NHKスペシャルで放送された「日本海軍400時間の証言」の制作側のドキュメンタリー。おもしろい。企画を進めるにあたって、巻頭言っていうのを書くらしいのだけど、それを書いた右田さんというディレクターさんの問題意識が、僕が仕事を選んだ時に考えたこととものすごく近くって、「おお!」と思って読んだ。

戦争で深く傷ついた人たちとの出会いから、常に考えさせられたのは「もしも自分が彼らだったら」ということだった。自分がいま戦争のない国や時代に生きているのは単なる偶然に過ぎない。自分も「彼ら」だったかもしれない。「他人事として戦争を語ってはいけない」という思いが心に深く刻まれた。
そしていま、日本人として、自分の国にも他の国々にも、最大の惨禍をもたらした戦争に向き合おうとしている。
ようやく寝付いた子どもの顔を眺め、そのぬくもりや重さを腕に感じながら、「もし、この子が特攻隊員になったら」「もし、この子が空襲で猛火に巻き込まれたら」と想像した。涙が出た。
熱が出たら大騒ぎして病院に連れて行く。泣いたり笑ったり、その表情に一喜一憂する日々。この小さな命を守ることに必死になっている毎日。一つの命の存在がいかに奇跡的なことであるか、一つの命が育まれるにはいかに大きな愛情が注がれているか、母親となって初めて実感していた。その命が、国家の命令によって一瞬で消し去られる。そのことを想像すると身が切られるような思いがした。
「この子を戦争で死なせるようなことだけはしたくない」
その実感を抱きながらようやく書き上げた「巻頭言」は、「一人一人の命の大切さ」がテーマとなった。

一般的に海軍って戦争に反対していて、陸軍に引きずられて、みたいなイメージがあるのだけど、実際にはそんなことはなくて、海軍全体がスマートだったわけじゃないし、海軍だっていろんな失敗を抱えてて、どうしようもないな…とやりきれない気持ちになることも多数…。でも、こういうのって伝えられていってほしいな。こういうのこそ、YouTubeとかiTunes Uとかで無料で見られればいいのにな…。NHKオンデマンドでは見られるのかな。チェックしてみようかな。【→メモ:日本海軍400時間の証言

日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦

日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦