日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

コトダマ信仰、爆発しろ!

井沢元彦『逆説の日本史(18) 黒船来航と開国交渉の謎』を読了。黒船来航前後を中心とした、日本外交論です。黒船来航の前に、いろいろつかんでいたのにはまったく準備をしなかった幕府高官たちは、糞味噌に言われてますが…今の日本もまったく変わってないじゃないか、と悲しくなります。朱子学の害悪っぷりすごい… ドロナワな対応、情報はあるけど保身のために途中で握りつぶされて結果的に対応をちっともしなかったり…。今と変わらんな…

日本の政府、あるいは国家としての短所を一つだけ挙げよといったら、まさにこのことだろう。
「国家の大事への対応が常にドロナワになる」ということだ。
その理由は言うまでもなく、日本が「言霊国家(コトダマが国民の深層心理に深く根付いている)」であるからだ。それゆえに、林子平のような先覚者の警告や、オランダ国王ウィレム二世やビッドル代将やプチャーチン提督のような好意的な説得もまったく受け付けず、祖法(今と違う状況で決められた方針)にしがみつき、「ダメなものはダメ」「そんな縁起の悪いことを口にするのは悪だ」という「言霊信仰」でしりぞけてしまうからこうなる。(p.191)

このコトダマ信仰って言葉、好きです。最悪のケースを想定して考えなければならない政治家たちが、「そんなことを口に出すと縁起が悪い」とか「そんなことを口にすると実現する」とか「そんなことを口にするのは、どこかでそう思っているからだ」的なことを言われるのが嫌で、最悪ケースを想定しない。何、これ。誰も得してませんけど…。

逆説の日本史 18 幕末年代史編1

逆説の日本史 18 幕末年代史編1