日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

『プレイフル・ラーニング』を読んだ

上田信行×中原淳『プレイフル・ラーニング』を読了。「プレイフル」という言葉にまつわるいろんな勉強を今年はしようと思っています。とても勉強になりました。

プレイフル・ラーニング

プレイフル・ラーニング


中原先生が、「学び」や「教育」の言説空間において、ここ数十年で起こった変化を3つのワードで表現しています。その3つは、「オルタナティブ」「インタラクティブ」「アマチュア」(p.12)。なるほどね、と。

教育の非専門家(アマチュア)が、自分の専門性や経験をもとに、既存の(学校)教育ではない、“オルタナティブな学びの場”を組織するようになってきた。そこに志や興味関心を同じくする人々が集い、双方向(インタラクティブ)のコミュニケーションを取りつつ、学ぶようになってきた、ということ

↑これは、とってもいいことだと思っています。学校はもっともっとオープンな場所になって、社会全体で子ども=社会の将来の構成員を育てていかないと、と思っているので。
ただ、何でもいい、というわけではもちろんなくって、いかに学びを設計するか、ということですよね。セサミストリートの作り方が紹介されていて、そのなかで、形成的評価と総括的評価について触れられています。とてもうまい表現だな、と思ったのでメモ。

イリノイ大学のロバート・ステイクは、シェフが厨房でスープの味見をすることが形成的評価(formative evaluation)で、お客さんが実際にスープを飲んで評価するのが総括的評価(summative evaluation)だと書いているのですが、まさにそんな感じです。シェフは味見をしたあと、塩を足したりして、お客さんに出す前に味を改善します。それが形成的評価なのだと言っていますが、まさにそんな感じです。
特に、セサミストリートの番組制作を行う「チルドレンズ・テレビジョン・ワークショップ(CTW)」では、研究者が番組制作チームに入り込むことで、常に番組の内容の形成的評価を行い、現場で改善を加えながら開発していくことができたことが、成功を導いた大きな要因となっています。(p.36)

そして最後に、上田先生が言う言葉に勇気づけられる。そう、インプットだけでなく、アウトプットしていくのです。

「学ぶこと」は、「変わること」であり、「変えること」です。「読むことは、あなたの世界を広げる。でももし、あなたが書くことができれば世界を変えられる」というような意味のことを言ったパウロ・フレイレ(Paulo Freire 1921-1997)は、すごいと思います。アウトプットしてはじめて世界が変わる。インプットでは世界は変わらない。自分の中だけは変わるかもしれないけれど世界は変わらないですよ。でも、何かしゃべれば、発信すれば世の中は変わっていくかもしれない、風向きが変わる。世の中に影響を与えることができるんです。これは民博の梅棹先生がおっしゃったことなのですが、学校の教育はchargeだ、だけど文化創造の実践はdischargeなんだと。(p.183)

なんか、無性にカリキュラムを設計したくなるし、教室で教壇に立ちたくなります。がんばらねば!しっかり設計、現場主義、できることをやる、アウトプット出す。がんばろう。【→メモ:プレイフル・ラーニング