日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

分野の最先端を行く、第一人者の一人称の言葉はスイッチを押せると思う

東大EMP 横山禎徳・編『東大エグゼクティブ・マネジメント 課題設定の思考力』を読了。東大で開講されているエグゼクティブ・マネジメントの講義録なのかな。

東大エグゼクティブ・マネジメント 課題設定の思考力

東大エグゼクティブ・マネジメント 課題設定の思考力


さまざまな分野の最先端を行く、第一人者の一人称の言葉を聴く、っていうのはとても大切な教養教育だと思っているので、こういうのが書籍になるのは助かるなあ、と思います。あ、Amazonの解説を見ると、「これまでの「教養」を超えて、時代に必要なパースペクティブの獲得へ。東大のリーダー育成プログラム(東大エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)から発信される一冊。」と書かれている。じゃあ、教養教育とか書いちゃいけないか(笑)
6人の講演者のうちのお一人が、こんなことを書いています。

ところが、新たに見つかった他の惑星系を見ると、木星のような巨大なガス惑星が、太陽系でいえば水星よりも内側に位置して、中心星の周りを数日で公転しているものがあった。このような惑星は「ホットジュピター」と呼ばれています。そうかと思えば、ハレー彗星の軌道のように扁平な軌道をもつ惑星も多く存在する。これらは「エキセントリック・プラネット」と呼ばれています。こうしたことが次々とわかってきて、太陽系における惑星の並び方や、太陽系ではほとんどの惑星が真円に近い軌道で回っているといった事実は、惑星系の一般的な特徴ではないことが明らかになった。うしろ太陽系のほうが特異な姿をしているということがわかり、太陽系の特徴を説明できるように組み立てられてきた現在の惑星系形成論は根本的に見直しを迫られているのです。
そうなると今度は、太陽系の特殊性を説明する理論が必要になります。安定性を考えると、たしかに太陽系は不安定です。木星のような巨大ガス惑星があんな位置にあってなぜ安定性を保っているのか、逆にそのことのほうが不思議なのです。むしろこれほど特殊な惑星系が40億年以上も存在していたことをどう説明するのかというテーマが、いま物理学や力学の理論としては最も面白い展開になっているんです。(p.93-94)

↑こういう、分野のトップランナーが、「ほら、すげえおもしろいでしょ!?」と嬉々として語るところを聴く、というのは、本当に良い教育機会になると思うし、やる気スイッチを押してくれるような気がするなあ。でも、もっと初等教育とかでやったらいいのに、とも思ってしまう。
桐光学園中学校・高等学校がやっているのが、そういうことだよね。

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