日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

「半澤直樹」「7つの会議」もいいが、『海賊と呼ばれた男』は教材にもよくない?

『海賊と呼ばれた男』を読んだ

 ここ1週間ほどで、百田尚樹『海賊と呼ばれた男(上)』『海賊と呼ばれた男(下)』を読了。こないだ義実家に行った時に、「これ読みました?おもしろいですよ!」義父からお薦めされて、「まだ読んでないです!読み終わったら貸してください!」とアピールしておきましたので、お借りできました。

海賊とよばれた男 上

海賊とよばれた男 上


海賊とよばれた男 下

海賊とよばれた男 下

 主人公は国岡鐵造さん、社名は国岡商店になっていますが、それ以外の人たちは実在の人物名なのですね。モデルは出光興産の出光佐三さんです。出光のサイトに、出光佐三の言葉っていうコンテンツがあるのですね。
 作中での言葉も、ほんと泣きそうになることも多い本でした。テンション上がるなあ。NAVERまとめも作られています。
 終戦の2日後。社員を集めて訓示します。

「愚痴をやめよ。世界無比の三千年の歴史を見直せ。そして今から建設にかかれ」
「泣き言をやめ、日本の偉大なる国民性を信じ、再建の道を進もうではないか!」

 すばらしい。かっこいい。

 あと、「題名のない音楽会」は好きでときどき見ている番組ですが、あれも出光の提供ですね。上のNAVERまとめを見ていて書かれていて気づいたけど、そういえば30分番組だけど途中でCMが入らないよね。あれも、出光佐三さんの「芸術に中断は無い」という考えに基づくためだそうです。

教材に使えないかなあ

 こうした人たち(出光さんと一緒に戦った部下の人たちも本当にかっこいいのですよ!)が作ってきた日本を、なんとなく惰性でダメにしちゃダメだろうよ、と何だか胸熱です。
 こういうのこそ、学研で学習まんがにすればいいのに。少なくとも、織田信長よりも出光佐三さんの方が憧れる、源頼朝よりも孫正義さんの方が憧れる、というくらいにならないと、近現代史に問題意識をもって、しかもアントレプレナーシップを持つ子どもなんて育ってこないのではないかな、と思ったりします。
 ドラマでもいい。今クールは、「半澤直樹」と「七つの会議」と、池井戸潤さんの小説がNHKとTBSで同時期に放送された*1
 どちらのドラマもとてもよかったけれども、あれは銀行とかメーカーとか、就職したくなくなるんじゃないか、と…。実際、金融系に勤めている人が、日曜の夜9時に「半澤直樹」はいろいろ憂鬱になる…と言っている人も多いと教えてくれました。まあ、そういうのもあるだろうね。
 だから、なんていうか、もうちょっと希望を持てるようなエンターテインメントで、若い層を刺激しようよ!と思ったりします。

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

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オレたち花のバブル組 (文春文庫)

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*1:前クールは有川浩のもの(「図書館戦争」映画公開+「空飛ぶ広報室」ね)だったけど、今クールは池井戸潤のものかな、みたいな。