日々、想う。んで、記す。

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『ワークショップデザイン論』、とてもおもしろかった!

 山内祐平・森玲奈・安斎勇樹『ワークショップデザイン論 創ることで学ぶ』を読了。とてもおもしろかったです。ワークショップというものをきちんと正しく自分でできているのか、自分で読んで自信がなくなりましたが…w、叩き上げで叱られて身につけてきたことがけっこう書かれていました。
 例えば、CAMPのファシリテーター研修用ハンドブックに書かれているというファシリテーターの基本姿勢。これまさに、仕事で社長に最初に叩きこまれたなあ、というのとかぶります。

ファシリテーターの基本姿勢(p.145):

  1. こどもが主役
    • こどもたちが自分自身で決定し行動できるよう、ファシリテーターは黒子としてワークショップを支えます。常にこどもと同じ視点を持って、ワークショップに参加しています。
  2. 信じる
    • こどもは大人とは違うスピードと方法で一生懸命に活動し、成長しています。こどもを信じる姿勢を忘れず、ファシリテーターとして常に冷静に判断し、行動します。
  3. 気づく
    • 小さな達成や変化に気づくことができるよう、こどもたち一人ひとりに目を配り、小さなことでも言葉にして感動を伝えます。
  4. 向き合う
    • 一人の人として、こどもと話す時、耳も目も体もしっかり正面から向き合って、真剣に会話し、気持ちを分かちあえる関係を築きます。
  5. 常に新しく
    • 同じワークショップは二度とありません。同じこどもたちが集まることもありません。常に新しい気持ちで取り組み、毎回のワークショップを大切にしていきます。

 そうよね!そうよね!この「信じる」のところが難しくて、答えをあげたくなっちゃうんだけど、そこをぐっとこらえて、答えを言わせろ、というのがうちの会社ではずーっと言われていることだわ。そして、がんばった子どもたちの様子に「気づく」こと。これも本当に大事だよね。

 あとはですね、チクセントミハイのフロー状態についてのところも興味深かった。チクセントミハイって誰?みたいな感じだったりするのですけどw、フロー状態に子どもたちをぶっこんで、その状態こそが学びのチャンスMAX!みたいなのは思ったりするのです。(p.91)

フロー状態=人間が活動に没入し、楽しさを感じている状態のこと。
チクセントミハイによれば、「楽しい」と感じているフロー状態の時は、どの分野においても「時間を忘れるほど活動に極度に集中している状態」「環境と自分が一体化している感覚」「行動を調節しながら次々に新たな状況に対応できている状態」などの特徴があることが明らかになっている。
フロー状態の時は、そうでない時に比べて、創造性を発揮しやすい状態であることが指摘されているほか、活動に夢中になって感情や思考が揺さぶられる経験は、後になってそれを自覚化し、振り返るためのきっかけにもなる。
フロー状態は、学習と創造の土壌になるのである。

 フロー状態に入るためには個人の「能力」と活動の「難易度」が重要であるというのも、とても納得のいくものであるし、チクセントミハイは読むべき人だな、と。読もう、うん!

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ