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「瞬足」の開発秘話

 アキレス株式会社 「瞬足」開発チーム『開発チームは、なぜ最強ブランド「瞬足」を生み出せたのか?』を読了。子どもを持つ親なら、ほとんど聞いたことあるんじゃないかというブランド、アキレス瞬足の話。子どもの2人に1人が履く奇跡のシューズ誕生物語ですよ。おもしろかったなあ。

開発チームは、なぜ最強ブランド「瞬足」を生み出せたのか?―苦境からの大逆転! 子どもの2人に1人が履く奇跡のシューズ誕生物語

開発チームは、なぜ最強ブランド「瞬足」を生み出せたのか?―苦境からの大逆転! 子どもの2人に1人が履く奇跡のシューズ誕生物語

 瞬足といえば、「足が早くなる」靴だというイメージでいて、「そんなアホな…」と冷めていたのですがw、開発チームとしては実はそういう見方はしていないのだそうです。瞬足の目的は、以下の通りです。

すでに瞬足をご存じの方は、この靴に「速く走れる」というイメージをおもちかもしれません。
ところが実際のところ、瞬足の目的はそこにはありません。
コーナーを力いっぱい駆け抜けた結果として速く走れる」という側面はもちろんあります。しかし私たち作り手が真に目指したのは、「運動会でよい思い出をつくれる靴」を子どもたちに提供することだったのです。(p.5-6)

 これって、とってもステキじゃないか、と思ったのです。運動会はみんなにめぐってくるイベント。そこでいい思い出をつくれるように靴を作る、って素晴らしい。

 瞬足は大成功を収めて、いまや子どもの2人に1人が履いている、という状況。フォロワーもたくさん生まれてきているわけですが、それに対しての開発チームの言葉も素晴らしい。

先日、私たちのメンバーのひとりがM社の営業仲間と会った際、こんなことをいわれたそうです。
「当社の商品が売れたのはアキレスさんのおかげですよ。少子化のなか、市場全体が停滞していたところに瞬足が現れたことで、一気にパイが広がった。瞬足の好調が市場を活性化してくれたからこそ、そこに私たちも飛び込めるのです」
これを聞いて心底ありがたく思うと同時に、連帯感がますます強まりました。同業他社とは、ともにそのジャンルを発展させていく仲間なのだとあらためて思いました。
ひとつのヒットが買い手の数を増やすと、ライバルにも新たな可能性が広がります。そのチャンスをつかんでライバルもヒットを出せば、また私たちも対抗します。
こうした切磋琢磨が、さらに市場を活性化させていくのだとしたら―。
そう考えると、瞬足の役割はこれからますます大きくなっていく、と感じざるを得ません。
さらにたくさんの人の心をつかみ、ライバルの対抗心を喚起し、このジャンルをもっと大きくし、経済の活性化に寄与しなくてはいけないからです。
ナンバーワンブランドとは、そういう使命をもった存在なのです。(p.168-169)

 No.1ブランドの使命、追随へのスタンス、なるほどなあ。新しいことを広めていきたいなら、フォロワーが出てくるのも歓迎で、むしろ市場を広げていくっていう感じに考えるくらいじゃないとダメだよね、たしかに。

 うちでは息子に瞬足を買ってあげたことはないのだけど(これからもなさそうだけど)、でも、瞬足のファンになった。今は、足育っていうのを始めているそうです。

2012年、アキレスは「足育」という新たな理念を打ち出しました。
これは、「きちんと足に合った靴を履き、人間がもつ足本来の機能を取り戻し、正しく歩くこと」を考えよう、という呼びかけです。
この理念にもとづいた新商品が、2013年秋発売予定の瞬足「足育」シリーズです。この靴にはアキレスが長年培ってきた子ども靴の設計思想と、順天堂大学のバイオメカニクス理論とを融合させた技術が詰め込まれています。(p.195)

 サイトはこちら。足育(そくいく)宣言 | 瞬足クラブ | アキレスシューズ公式サイト瞬足がブランドになったからこそできることだよね。ファンになっちゃうよ。ステキなチームです。