日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

未来教育フォーラム2013 基調講演まとめ

 デジハリ主催の近未来教育フォーラムに参加してきました。めちゃめちゃおもしろかった。基調講演「オープン化する世界」の坂村健先生、アツいわ。すごいテンション上がります。
 以下、気になった部分のメモをそのまま転載。

坂村先生 講演

 すごいスピード感の講演でした…最後の方、わからんw「技術が作るのは選択肢」であり、選択肢を選択させるのは「正義」だ、というところ、グッと来た。そして、その「正義」を身につけさせるのは教育だよね、と自分の仕事に無理やり繋げるw っていうか、無理矢理でもなくて、いろんなことができるようになり、いろんな人と繋がれるようになり、世界が多様になっているからこそ、「正義」について一生懸命、しっかり考えられる人たちを多くしなければならないと思うのです。

■gov2.0
・行政データをできるだけ電子的に公開することで、
 企業、NGOから個人まで皆がネットワーク連携し
 それを役に立て、社会貢献できる環境を

・透明性Transparency、参加Participation、協力Collaboration
 ↓
 警察の犯罪データを、地図と併せて見られるように詩、
 危険な地区に行ったときに反応するようなアプリなどもある。
・市民にはiPhoneAndroidなどモバイル情報端末のアプリとして提供。
 MassDot、DataSF などで実践
・Xプライズ方式
 →やりたい人、やってください。コンテストにしてトップのものには、税金から賞金を出す。
  だからこそ、ダイナミックに社会が動く。
 →最初のXプライズは、Department of Defenseが、自動運転技術に対して実施。
  ネバダ州でコンテストを開催したら、MIT、Fordなどが参加してきた。
  こういうダイナミズム、本当に大事よね。
  →ここからさらに法律も変える。


・Apps for Democracy
・PDFで情報を公開するのは、情報公開ではない。
・オープンデータ方式は、すべてを行政が予算をつけて公共サービスをできた時代にはよかったかもしれないが、
 今はもう向いていない。
 →先進国の経済が傾いてきて、オープン化する流れ。


・シンガポールのERP Electronic Road Pricing
 →ETCの技術を日本から輸出
 →シンガポールでは車載機が搭載された状態で車両が販売されている
  そうすることで、製造コストは下がる。
 →ETCのゲートを作る方がコストは高い。
  どういう制度で動かすのか、というのが大事


・技術が作るのは選択肢
 →選択させるのは「正義」


デンソーQRコード
 →特許をオープンにしてみんなに使わせた
 →今で言う「エコシステム」を確立し、デンソー自体もそこから恩恵を受ける仕組み


・テクノロジーにより道徳とビジネスが直結する社会になっている
 →GoogleのDon't be evilは、別に善人なわけではなく、そうでなければGoogleが生きられないから


・ただ「尊敬を受けたい」というのも立派なインセンティブ
 →衣食住が足りていればそれ以上の円は必要か?
 →金は成功を測るひとつの指標でしかない


・Live train map for London Underground
 オープンデータでやっている。鉄道マニアが作った
・Live train service Finland(名称、わかんない)
 →こちらは政府がお金を出して作っている


・インターネットにより科学研究のやり方は大きく変化
 →理系ではすでに研究論文誌の配布は紙が駆逐
 →論文はオープンアクセスで無料になっている。
  EUでは、税金で行われた研究の公開は義務づけられている

坂村先生×杉山先生 対談

 基調講演後の、杉山知之学長との対談。これもおもしろかったなあ。

杉山先生
・おもしろいことをやっている人は、ネットとモノをつなげている
 →メディアアートでもそうだし、サービスでやってみよう、という人も増えてきている
・すべてのものがインテリジェントになると、
 すべてのモノが「その人のため」に動くようになる、動かせるようになる。


坂村先生
・コンピュータはすべてに影響を与えるので、当然表現にも影響を与える。
・あらゆるものをネットにつなげたときに重要なのは、データとアクセス制御
 →誰が見ていいのか、見てはいけないのか、をコントロールする必要がある
・クローズにする方が簡単。
 出ることを抑えることはできないので、
 どういうふうに出したら罰則、というのを法律で決めるべき。


杉山先生
・ビッグデータについても、サービス提供者には全部見えているが、
 それをどう使うのか、という部分については、「正義」にかかっていると思う。
・カリキュラムを再来年くらいに見直そうと思っているときに、
 やはり正義を教えなければならない、と思った。リベラルアーツというか。


坂村先生
・正義を教える大学などない。
 話し合いながら作っていかなくてはならない
・技術者だけでなく、社会の構成員がもっとフランクに話し合えるようにならないといけない。
 大学という名が付くところは、そうしたことをしなければならない。
・最後には、正義を合意するということが大事になる


杉山先生
・何でもシミュレーションするのが正しい訳じゃない、という言葉は好きです


坂村先生
・大昔からあるモノが現実世界にはある。これは、多彩だからこそいい。
 シミュレーションで全部が単純かできるわけではない。
・CGの世界だけなら、向こうの世界にいく、ということ。
 最近はマッピングなど、CGの世界から出てきている感もある。


坂村先生
・「便利だったらいいのか?」という物言いについては、ずっと言ってればいい、と思う。
 →自動車に乗っているからといって、怠け者かというとそんなことはない。
  昔からテクノロジーが変わるときには、そうしたことはあっただろうと思う。
 →交通機関が発達して、怠けてなどいない。むしろよく働いているのでは?
・夢を見なくなったらだめ。
 昔はよかった、というのがいちばん嫌い。今がいちばんいい、と思っていたい。


杉山先生
・ちょっと勉強すれば、今は技術を使える。新しいことができる。

 なんか、すごいテンション上がって、御茶ノ水ソラシティから帰りました。がんばるぞー。
 おひさしぶりな人たちとも、最近お世話になっている人たちにも、たくさん会えて嬉しかったです。また、ひょんな縁からサポートをお願いすることになり、前日の連絡だったのにも関わらず協力をしていただくことができるようになり、今までネット上で知っていたけど、初めてお会いする人も。いやー、いい一日だった。
 杉山先生から、「そろそろ何か一緒にやろうよ。もともと兄弟みたいなもんだから」とカッコイイ、ロックスターなような*1ことを言われました。これも、超うれしかった。いろいろ、がんばるぞー。

*1:この「ロックスターみたいなこと時々言うよね。かっこいいよね。」というのは、後日、社長にこの件を報告したときに言われた感想。でもほんと、そうだと思う。杉山先生、何年たってもかっこいいままです。