『坂の上の雲』、最後まで読んだ
司馬遼太郎『坂の上の雲 (8)』を読了。7巻での奉天会戦、8巻は日本海海戦。奉天会戦は本当に薄氷を踏むような勝利。勝って(勝ったというか、持ちこたえたというか)すぐ後に、児玉源太郎は東京へ行き、講和のために政治家を動かしに帰ったり、とものすごい。
日本海海戦も、大勝!という結果ではあったけれども、ものすごい危うい条件の上にあったわけで、一歩間違えば、日本という国は今みたいではなかったかもなあ、と思ってしまう。これくらい慎重な思考を重ねて、それでも「やらねば!」となったらそこに突き進む、という形をとらないと、政治ってうまくいかないだろうなあ、と思う。
ロシアのバルチック艦隊を、対馬など日本の島々で発見した住民たちが、役場へ走り、通報したのも、「これが国家にとっていかに大事なことか」というのが国民にとって見えていたからで、そうした一体感は世代のためなのか、戦争という事態のためなのか。雪かきとかには知らん顔でも、いよいよ戦争とかという事態(いや、ぜったい嫌だけど)になれば、みんな公共心みたいなものを持てるのだろうか、とか考えたり。
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