日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

鶴見俊輔が好きだった。今でも好きだ。

鶴見俊輔上野千鶴子小熊英二『戦争が遺したもの 鶴見俊輔に戦後世代が聞く』を読了。大学生の頃、鶴見俊輔さんの本は本当によく読んだ。AERAムックの「哲学がわかる」というシリーズで、百科全書という言葉と共に紹介されていた(ように記憶している)。哲学にすごく興味はあったけど、細かいことや小難しいことをぐるぐる考えるよりも、もっと直近で役に立ちそうなのを探していた僕にとっては、ものすごく等身大な所があって、日常を考え、ベ平連の運動などにも参加していて、そういうフットワークの軽さが魅力的だったのです。
小熊英二さんもうちの大学にちょうど着任されたところだったので、「現代思想論」とかも履修したし、それにプラス上野千鶴子でしょ?これはおもしろそうだ…ということで読んだ。三世代、おもしろい対話でした。
僕は、平和教育をやりたいと思って教育業界に身を置いているわけですけど、そのベースになっているのはアメリカに1ヶ月間行ったサマースクール。そのときに、「対話することで人の繋がりができて、結局それだけが戦争を止める力を持っているんじゃないか」と思ったのが、今の自分のベースになってます。この本の中で、鶴見さんが同じようなことをおっしゃってて、「ああ、そうそう!」と大いに納得しながら読みました。

鶴見 私は、マスとしての国家とか世代には、期待しないんだ。私が自分でずっと持っているパトリオティズムの対象は、もっと小さいものなんだよ。それは日本にかぎらず、世界中にそういう場があるんだ。
たとえば留学時代の私を泊めてくれたアメリカの家庭だよね。私はアメリカの国家には批判的だけれど、彼らへのパトリオティズムがあるんだよ。そういう場が、世界中にポツン、ポツンとあるわけだ。それは領土っていうのとは、あまり関係ないよね。(p.392)

またがんばれそうだ。うん、がんばろう。【→メモ:戦争が遺したもの

戦争が遺したもの

戦争が遺したもの