日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

『烏に単は似合わない』の若宮様が好きだ

阿部智里『烏に単は似合わない』を読了。おもしろかった。表紙のイメージと以下の説明から、なんとなく『あさきゆめみし』みたいな感じかと思ってましたが、ぜーんぜん違う(笑)

人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。

いろんな事件が起こって、だんだん「あ、そういうことなの?」っていうのが出てくる。それぞれのキャラクターの印象がどんどん変わってきて、その裏切られ感が心地よくて好き。そして最後に登場する若宮様のクールさに惚れる(笑)


第19回松本清張賞受賞作。最年少での受賞だそうで、作者の阿部智里さんは1991年生まれ。うおお、若い。インタビューが文藝春秋のサイトで読めます。受賞の言葉の中に、ご両親のことが出てきますが、「作家になりたい」と言い続けた娘を励ましたり、叱咤してきたりしたのかなあ、とか思ったり。

私は年齢こそ最年少だったかもしれませんが、作家を目指して来た年数で言えば、もう十数年になります。その間「プロになりたい」と毎日のように呟き続け、家族や友人達はミミタコ状態だったのです。
 多くの方に支えられて、夢への第一歩を踏み出すことが出来ました。ここがゴールではなくスタートなのだという事は、再三口をすっぱくして両親に言われております。

次回作が楽しみだなー。

烏に単は似合わない

烏に単は似合わない