『不必要だった二つの大戦 チャーチルとヒトラー』を読んだ
パトリック・J-ブキャナン『不必要だった二つの大戦 チャーチルとヒトラー』を読了。この本を読んで、チャーチルのイメージがずいぶん変わったなあ。教科書で世界史を勉強しただけの僕には、チャーチルはただ戦時イギリスの指導者というだけでしかなかった。でも、この本の中では、チャーチルは二つの大戦で主導的役割を果たし、特に、第二次大戦では「大英帝国」の威信を賭けて、戦いを「欧州動乱」から「世界大戦」に発展させた政治家、という描き方。結果、大英帝国は崩壊、覇権はアメリカに移るわけだけど。たしかに、他の選択肢もあったのかもしれないなあ、とも思う。
ドイツにしてもイギリスにしても、ソ連のことを強烈に恐れているのね。ドイツを倒すためにソ連を引き込み、その結果として東欧は共産圏になった。これがよかったのか、こうしなければもっと悪かったのか、とかは正直評価できない。政治家の仕事の責任の重さを感じる…。
日本が強烈にロシアを恐れていたのだって、たったの100年くらい前のこと。日露戦争1904年、第一次世界大戦1914年。あ、来年で100周年なのか。戦場になったヨーロッパの歴史を感じる。
500ページ以上あって、読むのは大変だったけれど、とてもおもしろかった。自分のヨーロッパ史の知識の少なさを感じた。外交のケーススタディとして、シミュレーションゲームにできないものかな、と思ったり。コーエーさんとか、どうすか?w
- 作者: パトリック・J.ブキャナン,Patrick J. Buchanan,河内隆弥
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2013/02/25
- メディア: 単行本
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