日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

バトルロワイアル

途中、飽きたので借りてきていた映画“バトルロワイアル”をみる。七原が藤原竜也、川田が山本太郎。ふんふん、関西弁がぴたりかも。壊れている子代表・桐山は切れた演技させたらめちゃめちゃ怖い安藤政信。壊されてしまった子代表・相馬光子は柴咲コウ。出てたんですね〜、知らなかった。でもぴったり。鎌持ってるシーンが怖かったわ〜。
公開当時はかなり話題になり、国会でも議論がされましたね。もう3年前です。たまたま雑誌で読んだんですけど、故・深作欣二監督は子どもに見せないように規制をしようとする政府に対して「子どもたちを信じろ!」と言っていましたね。これを見せたからといって暴力的になるものか、人を信じることの難しさと大事さを考えてもらえるはずだ、ということだったのかな、と思った。まさに、高見広春『バトル・ロワイアル』はそうして子どもたちを信じられなくなった大人の物語ですもんね。そして人を信じることの難しさと尊さの物語。核兵器の抑止も、死刑廃止論も、教育問題も、何だかいろいろなテーマで考えていけそうだ。
原作と映画とどちらがおもしろいか、というのにあまり意味はないかもしれないけど、ストーリー的には原作の小説の方がおもしろい。人物像がすごいちゃんと書き込まれているから。細かい複線とかも楽しめると思う。でも、先生役はキタノ先生でいいかもね(原作で読むと先生がジョーダンズの感じがしてしまう・笑)。ラストシーンは原作の方が好きだけど、映画も十分におもしろい。最後のクレジットでかかるDragon Ash“静かな日々の階段を”がぴったり。←ごめん、こないだまで“陽はまたのぼりくりかえす”だと思ってたら違ってたのでリライト。
原作の最後で描かれている川田の笑顔を見たかったんだけど、映画では原作とはちょっと変わってましたね。両方ともまだ見ていない人は、原作から入るのをお勧め。
ちなみにBRIIが公開になりますが、今度は生き残ってテロリストグループ「ワイルドセブン」を率いる七原を3日以内に殺さないと全員死亡、というゲームらしいね。みんなが引くに引けない事情を持っての戦争ゲーム。どういうふうに脚本的にまとめるのだろう、というのにも興味津々。えてして、本当の戦争もどっちも一歩もひけない事情を持ったところでぶつかるもの。それにたくさんの人が巻き込まれていくのは仕方ない部分もある。
それは主義だったり、利害だったり、家族のことだったり、夢だったり、いろいろあるとは思うんだけどね。それにどういう折り合いを付けていくのか、ってことが問題だ、と思ったりするわけですわ。
いい映画だった。本当に。故・深作欣二監督はじめ、深作組の仕事にリスペクト。