日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

英語で算数!

研修4日目。今日は初めて朝食をホテルで食べてから行けました。よかったよかった。しかし、昨夜の睡眠が2時間くらいだったこともあってすごい眠たくて、英語を全然聴き取れない状態。しかも、数学的な部分の説明だったから悲惨。
英語と日本語でこんなに違うのね!びっくりっすよ。で、数字の部分や数式の部分の英語でまごまごしているうちに、英語はどんどん先に行ってしまって、まったく分からないことになる、というパターン。やれやれです。


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分数は小宇宙である!”より


1)数学表現の問題

これは,欧米語で数式を読むように「左から右へスムーズに読むことができない」ということです.そのため,数学が初学者にたいへん「違和感」を与え,難しいという印象を与えます.これは日本語で数学を学ぶ際には数学全般に言えることですが,初学者が最初に出会うのは「分数」のところではないでしょうか?
「足し算」,「引き算」,「かけ算」と来て,「割算」のときに初めてこの経験をします.
 例えば,「1割る3は1/3」(1÷3=1/3)を考えましょう.このときに,英語の"1 divided by 3 is 1/3"に対応します.しかし,「1/3」を日本語では「3分の1」と読まなくてはなりません.英語のように,"one third"あるいは"one over three"とは読めません.そのため,漢文の「レ点」のように「戻り読み」しなくてはならず,たいへん不自然です.したがって,初学者に「心理的」に何か大きな「プレッシャー」を与えるのではないでしょうか?(日本語で英語や漢文を読む時に「違和感」を考えてみて下さい.)


2)数学用語の「混乱」,「不誠実さ」や「不整備」

これは,日本の数学用語一般に通用することですが,欧米語の数学用語を日本語に翻訳する際の伝統的ないいかげんさが災いして,たいへん混乱しているということです.戦後の英語をベースにした単語と戦前のドイツ語をベースにした単語の混乱が日本語の数学用語にはたくさんあります.
例えば,「分割数」(Partition)や「分数」(Fraction)は,日本語としては文字も意味あいも実に似ています.しかし数学上はそれらの概念は全く似ていませんし,全く異なります.したがって,Fractionという意味あいでは,「端数(はすう)」とか「断片数」と呼んだ方が分かりやすい(区別しやすい)でしょう.このような日本語による数学用語のネーミングが数学の至る所にちりばめられていて,我々科学者(数学者以外の)が学ぶ際の大きなハードルを置くことに役立っています.実際は(現代)数学の概念はそれほど難しいものでも,たいしたことでもないものが多いのですが,こういった数学言語の「不誠実さ」や「不整備」のために,一般の日本人が日本語で数学を学ぶ際にはたいへんな障害になっているように私はかながね感じています.