日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

経済学という教養

稲葉振一郎『経済学という教養』を読了。途中、チンプンカンプンになったところもあったのですが、刺激的でおもしろい本でした。経済学者が書いたものではなく、ちょっと違った角度から書かれているのもすごくおもしろい理由だと思います。
この中で紹介されていたソーカル事件って、知らなかったんだけどすごい興味ある。関連するwebサイトが紹介されていたので、見てみようかな、と思う。


ソーカル事件というのは、物理学者アラン・ソーカルが、ポストモダンの人文社会系の学者たちが、自分たちの著作で、自然科学や数学の概念をたとえ比喩としてもあまりに不正確でデタラメな仕方で濫用しているのを腹に据えかねて、あるとき「量子力学の理論も社会的なコンテクストによって決定されている」というデタラメな主張を、ポストモダン的な言葉遣いでもっともらしく展開した論文もどきを自分の手ででっち上げて、ポストモダン系の学術雑誌に投稿したら、審査を通って採用されてしまった、という事件である。ソーカルはもちろんその直後に舞台裏を暴露し、デタラメを見抜けなかった雑誌編集陣とそれを取り巻くポストモダン業界を厳しく批判し、だまし討ちを食らった形のポストモダン知識人たちは激しく反発した。これが世に言う「サイエンス・ウォーズ」である。

特にラストの章とかは超いいです。政治や経済がどのように行われているのかを知識と関心を持って、意識を高く見ている観客になる、ということが大事なのですね。立ち読みでいいです、最後の章を読んでほしい。[→メモ:経済学という教養]
経済学という教養

経済学という教養