日本沈没
小松左京『日本沈没(下)』を読了。これ、終わらせ方はどうするのだろう!?とずっと思っていたのですが、沈没するものは沈没するのですね。止められない。まあ、こっちの方がリアルかも。某アルマゲドンみたいに誰かの犠牲でプレートテクトニクスが止まったりしてもねえ(笑)
パニックの描写などもおもしろかったのですが、僕的には国土がなくなった後、海外へ移民として出て行った日本人たちの味わう「辛苦」の方に興味があります。驚くべき人数を海外へ逃がすのですが、その人たちがユダヤ人のディアスポラのように過ごして行くことについて、登場人物たちは非常に心配しています。心配どころか、いっそみんな国土と一緒に死んだ方がましだ、というせりふすらあります。
国土がなくなる、自分が帰るべき地を持たない異邦人として移民生活を送る、などということを考えたこともなかったけど、もしそうなったら…と思うとけっこう怖い。
続編の『日本沈没 第二部』ではこのあたりについても書かれているのだろうか。チェックしてみたいところ。
- 作者: 小松左京
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/12/06
- メディア: 文庫
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