日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

iKnow!がすごい

英語の勉強にiKnow!を使っています。インターフェースもおもしろいし、ただ楽しいのではなく、きちんと「学びのプロセス」を考えているな、と思っています。やっていて英語の勉強になる、というだけでなく、教育コンテンツ企画の勉強になります。で、CNET Japan「英語学習SNS「iKnow!」誕生の裏側--運営会社セレゴに迫る」の記事を読んでさらに感心。ここには英語教育を変えよう!という志したプロジェクトに人生を埋めて、でも楽しく梅田望夫さんの言う「けもの道」を爆走している人たちがいる!というかんじ。記事の中から、以下抜粋。

だが、予備校ビジネスをしばらく続けている中でひらめいた。それがiKnow! 学習エンジンの基になるアイデアだった。そのアイデアを基に、大学院や研究所の複数の科学者と研究を重ね、その結果、脳科学、認知科学、心理学に基づいた人間により早く情報を知識に変えるシステムを確立し、プロトタイプを作った。
彼らは2人で設立した会社に友人の科学者たちを招き、ひたすら研究を続けさせた。渋谷を拠点としながら、世界中の脳科学、認知心理学に長ける研究所等に送り込み研究を継続させた。

ただ英語教育の方法論だけではなく、脳科学や認知心理学まで含めて教育方法を作っていく。ここまでやっている学校の先生はなかなかいない。学校の先生よりも研修の機会が多くあった(と思う)、前職の学習塾の講師の中にも、ここまでやっている人なんていなかった。そして、学習エンジンが作られた。

情報がどのように人間の脳にインプットされ、保存され、アウトプットされるかというプロセスを徹底的に整理し、再構築した。学習のプロセスは、Learn、Review、Test、Scheduleの4つが基本である。CeregoはこれらすべてをトータルシステムとしてiKnow! 学習エンジンを生み出した。

日本では英会話教室が大繁盛。つまり、「英語を話せるようになりたい」と思っている人が多い、ということ。でも、みんな話せるようになっていない。その原因を、Cerego社の共同設立者Andrew Smith Lewis氏とEric Young氏は分析をしている。ここが耳が痛いところ(笑)

Andrew氏*1は「システムがよくないからだ」という。「個人的に思うのは、英会話教室に行って、本当に英語がうまくなった人がいるのか、ということです。日本人で英語を話せる人は、ほとんどが海外に行って外国人と話してきている。またはNHKラジオを聴いたり、最近は米国のテレビ番組や映画を見たりしてスキルアップした人もいる。しかし、英会話教室で英語がうまくなった人はほとんど見ない。我々が予備校を運営して思ったのは、予備校は結果がすべてということ。お金をいただいてTOEFLのスコアを上げなくてはいけない。でも英会話は結果があまり明確ではない」

それ以前に学校で学ぶ英語にも問題があると、Eric氏*2は話す。「日本の教育システムは文法から入るじゃないですか、徹底的に。日本の中学、高校を出ている人は文法に関しては私以上に知っていますよね。でも日本語のうまい外国人は文法から入っていないのです。日本人と話して、日本人の正しい日本語の使い方を聞いたり、使ったり、練習したり、間違えたり、それを直されたりとかを繰り返している。それが一番スピーディーだし、正確でナチュラルです」。

また脳科学、認知科学を研究している同氏ならではの科学的なアプローチもある。統計学に基づいて英語を勉強するのだ。「英語の辞書に出てくる言葉っていくつか知っていますか。実は50万程度なのです。では日常会話に出てくる95%の英単語数ってどれくらいでしょう。5000語程度です。つまり、辞書に載っている1%の単語数で、日常の会話に登場する単語の95%をカバーできるということです。5000単語とフレーズさえ暗記すれば、だいたいの英語は話せるようになります」(Eric氏)

英語の辞書にある単語は500,000語。そのうち日常会話に出てくる英単語数は5,000語。会話のほとんどはその単語とフレーズでOK。なんと心強い。こう考えると、大学受験の頃に必死こいて覚えた単語帳*3って、役立つんじゃない?語彙力が最も高い大学合格直後に、ばっしばっし英語をナチュラルに話す人たちと会話をして、間違えながら練習すべし、と思った。
こういう科学的な分析が、教育業界にはもっとなければならないよな、と感動しつつ反省したよ。

*1:Cerego共同設立者のAndrew Smith Lewis氏

*2:Cerego共同設立者のEric Young氏

*3:僕は「マスター英単語」と「Z会の速読英単語」だったな