ストレスと快感を操るデザイン
サイトウ・アキヒロ『ゲームニクスとは何か 日本発、世界標準のものづくり法則』を読了。日本のテレビゲームが、どうしてこんなにユーザをひきつけてやまないのか、ということを科学しようという試み。ゲーム作りの要素として挙げられている以下の部分、非常におもしろいと思いました。
家電品やウェブなどに比べると、ゲームでは"使うこと自体"にはストレスがありません。
といっても、人を夢中にさせるゲーム作りの要素として、「ストレス」は重要です。プレイヤーにある種のストレスを与えながらも、それを乗り越えた先に快感が待っていると感じてもらい、それを乗り越えたいと思わせるという「ストレスと快感のバランス」が、ゲームを作るうえで一番大切なポイントとなっているからです。
簡単にいえば、「ストレスと快感を操るデザイン」こそがゲームデザインであり、言い方を変えれば「テレビゲームとはユーザーにストレスを与えることを前提としている」ものなのです。(p.27)
この「ストレスと快感を操るデザイン」って、教育もまったく同じだと思っているのです。ストレスを与え、それを乗り越えさせる、そのためのさまざまな方法論を提示していくのが、カリキュラムなのかな、と。そう考えると、ゲームニクスというこの考え方は、教育にも上手に応用することができるのではないかな、と思っています。[→blog@Yui ゲームニクスとは何か]
ゲームニクスとは何か―日本発、世界基準のものづくり法則 (幻冬舎新書)
- 作者: サイトウアキヒロ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/07
- メディア: 新書
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