これはエピローグであり、プロローグである
三崎亜記『失われた町』を読了。最初、まったくわけがわからないながら、どんどん読まされて、だんだん背景がつながるようになってきて、もう一度プロローグを読まされてしまう。そんな作者にぐるぐる回される感覚が気持ちいい。三崎亜記さん、こういう現実社会の中にあれれ?と思うような発想を入れるのが上手だよなぁ。「隣町と戦争がはじまりました」とかさ、いきなり始まるの。今回も、いきなり「町が人を取り込んで消滅させる」だもの。
「本体ひびき」とか「別体ひびき」とか、まったくわからないまま話が進みますが、がんばって読んでいけばその後に気持ち良いストーリィのつながりが待ってます。三谷さんの映画とか、「パルプフィクション」とか、こういうエピソードがパラレルに進んでいって、がっしりとつながる作品が好きだ*1。
- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/11/24
- メディア: 単行本
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*1:ところで、「これはエピローグであり、プロローグである」という言葉、この作品のキーになるんだけど、たしかしゅうとのブログで見たような…。