コースって何か、改めて考えてみる
モーゲン・ウィッツェル『MBA式勉強法 ビジネススクールの授業の徹底解剖』を読了。MBAでの授業がどういうものかを研究して、取り入れられるものならばカリキュラムの中で一部再現できないかな、と思って読んだ。が、どちらかというと、授業の手法というよりは、留学前の事前準備(特にメンタル的な)を中心としている感じでした。
僕がカリキュラム制作のときに好んで使っているケーススタディについての短所などがまとまっていたり、教育においては「消費者(=学習者)もプロセスの一部である」ということが言われているのに納得したり。それと、カリキュラムを作るうえで重要な点として、「コース」の定義がされていたのもよかった。自分なりにメモ。
コースの定義(p.55):
- 設計者が意図した目的とテーマがきちんとある。
- 導入部分からスタートし、それから次第にそのテーマを明らかにしていき、最後に結論に導く。
- コースですべての知識を与えることはできない、と設計者が認識している。
- テーマの形と本質を浮かび上がらせ、より突っ込んだ知識へ進むための基盤を与える。
↓
コースが果たす役割は3つ
- そのテーマに関する基礎的な知識を与える。
- 学生が考えたこともないような問題を投げかけ答えを模索させることで、考え方を広げる。
- より詳しい知識へ進むための骨組みを与える。その知識は、さらなる勉強(学校でするものでも、自分なりのものでも)や個人的体験を通して得るものでもあり、コースの間だけでなく後々学ぶことのできるものでもある。
コースの設計者(学校の先生とか、研修の実施者とか)が、意図した目的とテーマを持ってないことって、実は驚くほど多いのですよ…。[→blog@Yui MBA式勉強法]
- 作者: モーゲン・ウィッツェル,内田学,山本洋介,内田由里子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2001/11/22
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