高校野球って、そういうもんかも。
ひぐちアサ『おおきく振りかぶって (12)』を読了。野球の試合って、こんなにいろいろ考えてるのかー、といつも感心するのですが。それと、部員たちの心情がすごく細かく描かれているのもいい。「チームが負けるのはいやだけど、あいつばっかり活躍するのもいやだー」みたいな、説明できない心情ってあるじゃないですか。試合中だって練習中だって。そういうのがすごく上手に書かれているなぁ、と。高校の部活だって、人間がたくさん集まるんだから、さわやかなだけですむはずなくて、どろどろした感情だってあるし。そのあたり、リアルだなぁ、と思うのです。
ちょっとググってみたら、さて次の企画は - 『おおきく振りかぶって』8巻に見るひぐちアサの暗黒面。それが今後、どう描かれるのかが楽しみというエントリに行きあたり、すごく納得。そうそう!という感じです。
じゃあ、ひぐちアサの持っている暗黒面って何かって言うと、それは一言で言えば
平易な言葉で人間の挫折と絶望を書くのに長けている点
と言えるのかもしれない。そしてひぐちアサの「絶望」がどこにあるかというと、
個人の才能には限界がある。その限界という挫折に遭遇した時に人はどう振る舞うか?
というテーマに心引かれる作家なのである。
ぜひ、ひぐちアサの他の作品も読んでみようっと。
- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/23
- メディア: コミック
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