日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

高校野球って、そういうもんかも。

ひぐちアサおおきく振りかぶって (12)』を読了。野球の試合って、こんなにいろいろ考えてるのかー、といつも感心するのですが。それと、部員たちの心情がすごく細かく描かれているのもいい。「チームが負けるのはいやだけど、あいつばっかり活躍するのもいやだー」みたいな、説明できない心情ってあるじゃないですか。試合中だって練習中だって。そういうのがすごく上手に書かれているなぁ、と。高校の部活だって、人間がたくさん集まるんだから、さわやかなだけですむはずなくて、どろどろした感情だってあるし。そのあたり、リアルだなぁ、と思うのです。
ちょっとググってみたら、さて次の企画は - 『おおきく振りかぶって』8巻に見るひぐちアサの暗黒面。それが今後、どう描かれるのかが楽しみというエントリに行きあたり、すごく納得。そうそう!という感じです。

じゃあ、ひぐちアサの持っている暗黒面って何かって言うと、それは一言で言えば
平易な言葉で人間の挫折と絶望を書くのに長けている点
と言えるのかもしれない。そしてひぐちアサの「絶望」がどこにあるかというと、
個人の才能には限界がある。その限界という挫折に遭遇した時に人はどう振る舞うか?
というテーマに心引かれる作家なのである。

ぜひ、ひぐちアサの他の作品も読んでみようっと。

おおきく振りかぶって(12) (アフタヌーンKC)

おおきく振りかぶって(12) (アフタヌーンKC)