キリキリと気持ちが痛む小説
テレビで見逃した最終回を補完すべく借りてきた、山崎豊子『山崎豊子全集 不毛地帯<4>』を読了。テレビのイメージが強くて、壹岐さんは唐沢寿明だし、兵藤さんは竹野内豊だし、大門社長は原田芳雄だ。
しかし、山崎豊子の小説はリアルで、読むのが苦しい箇所が多い。この「不毛地帯」の最初の方では、きっとドラマではサラリと終わったシベリア強制労働の描写が、重苦しく悲惨なタッチで延々と描かれているのでは…と想像して、あえてラストだけ読む。
あとがきにあった、「前半はシベリアの白い不毛地帯、後半はアラブで石油開発の赤い不毛地帯」という表現はまさにそのとおりだ。痛いのに、読み進めちゃうのは、文章的に有無を言わさない迫力があるからなのだけど。すっごい取材もしていそう。アラブだってこの作品のために取材で行ったそうですから!子どもたちに読んでもらいたいと思っている作者さんの一人です。『大地の子』とか、『二つの祖国』*1とか。
- 作者: 山崎豊子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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*1:いま、グーグルさんが薦めてくれたけど、二つの祖国ってモデルがいるのね…