歴史をこんなふうに学びたかった
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を読了。ものすごく刺激的でおもしろかった。歴史、おもしろいじゃん!素材としては栄光学園の中学生〜高校生向けに冬休み5日間でやった講義*1のまとめ、だそうだ。で、日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・日中戦争・第二次世界大戦と追っかけていく。
僕は平均よりは歴史小説とか歴史物を読んでいる方だと思っていたけど、甘かった。特に昭和になってから。若槻礼次郎とか、松岡洋右とか、胡適とか、すげーな…。紹介されているエピソードを読む限り、とっても優秀だし魅力的じゃないか。胡適の「日本切腹 中国介錯論」はすごい。日本を世界戦争に引きずり込むために、中国は3〜4年は負けまくるけれども単独で日本軍を引き受けなければならない、ということを政権内で言う、というような人がいるだなんて。同じ時代で日本の政権内でこんな「そんなことはない!」と否定したくなるような論を言える雰囲気があったか/人材がいたか、とか考える。
うーん、こういう人物のことをもっと教えて欲しいよなぁ。こういうふうに歴史を学べば、もっと今に応用できるしっかりした知恵になるだろうにな。やっぱりもっと現代史をやるべきだよ、日本の社会科教育。前史からやってたら最後まで終わらないじゃん。近代からやって、現代史までちゃんと終わってから遡る方法はだめなのかね?
これ、タイトルから見て全然違う本を想像していたよ…。全然固くなく、読みやすい。受験時代に読んだ「日本史講義の実況中継」みたいだ。[→メモ:それでも、日本人は「戦争」を選んだ]
- 作者: 加藤陽子
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2009/07/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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