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「囚人のジレンマ」の見事なディール

「囚人のジレンマ」の見事なディール - しのごの録
ちょっと前に見かけた、「囚人のジレンマ」の見事なディール。こんなテレビ番組があるのだねえ。いやー、こんなディールの場に自分がいたらどうなっちゃうかなあ…と悩みながら見ました(笑)

二人の参加者が、賞金を【分け合う(Split)】か【盗む(Steal)】かという選択を迫られている。ゲームには、次のおなじみのルールが適用される:

  • 二人とも【分け合う】を選べば、賞金は山分け、
  • 一人が【盗む】、もう一方が【分け合う】を選べば、【盗む】を選んだ方が賞金を独り占め、
  • 二人とも【盗む】を選べば、どちらも賞金はなし。

囚人のジレンマの理論的には、【盗む】を選ぶ方が合理的で、両者がそう考えるから結果的に相対的に悪い結果になる、というのが囚人のジレンマ。でもこれは一人で意思決定する場合なわけで、事前にコミュニケーションをしたりすることができると、ブラフの要素が入ったりするので、ぐっと難しくなる。これ、大学の授業でやったなあ。「交渉研究論」だったな、たしか。
この番組でもまさにこんなテーマになってて、2人の参加者がやりとりをしていく。

ニック(画面右側):「イブラヒム、俺を信用してくれ。俺は必ず【盗む】を選ぶから。」
イブラヒム(画面左側):「え?君が選ぶのは…」
ニック:「【盗む】だ。でも信用してくれ。盗んだ後で、山分けするから。」
イブラヒム「盗んだ後って、番組収録が終わった後にってことか?」
ニック:「そうだ。」

会場が沸く

ニック:「もし君も【盗む】を選んだら、二人とも何ももらえないんだ。それだけは避けたいよな。」
イブラヒム:「それは分かってる。じゃあ、二人で【分け合う】を選ぶのはどうだ?」
ニック:「だめだ。俺は分け合わない。俺は100%【盗む】だ。」
イブラヒム:「そんなこといって、本当に盗っちゃうんじゃないのか?」
ニック:「そんなことはない。絶対嘘はつかない。俺は100%【盗む】。君が【分け合う】を選べば、後で君と分け合う。」
イブラヒム:「分かんないな。なんで僕がそんなこと…」
ニック:「じゃあ、二人で【盗む】だね。それで賞金はパーだ。」
イブラヒム:「…。君の脳みそはどうなってんだ?」

そうよね、そうなるわよね…(笑)見応えあります。おもしろい。

golden balls. the weirdest split or steal ever!