将棋で学べることって多いと思う
羽生善治『大局観 自分と闘って負けない心』を読了。ボードゲームで教えていると、勝ち負けで子どもたちが一喜一憂するシーンをよく見る。特に負けた時の打たれ弱さを見ることも多くあって、「たかだかゲームじゃないか、人生で大負けするより全然いい。負けなきゃわかんないこともあるよ」ということをいつも何とか伝えようとしているのだけど、どうにもそれを受け入れる、というのは難しくて、うっかり軽く受け流そうとしたり、笑ってごまかしたり、という子が多い。羽生さんは、常にずっと強かったイメージがあるけど、一度次々とタイトルを失った時期があって、実は負けからものすごく学ぶのが上手なんだなあ、と思う。
それともうひとつ、「直感でやるから!」という子も多いのだけど、実は直感は天賦の才とは違って、研鑽に裏打ちされているものなのだ、というのが語られている。うーん、わかるわあ。こういうのをきちんと伝えていきたいなあ。
直感とは、数多くの選択肢から適当に選んでいるのではなく、自分自身が今までに積み上げてきた蓄積の中から経験則によって選択しているのではないかと、私は考えている。
だから、研鑽を積んだ者でなければ直感は働かないはずだ。
(略)
では、経験を積む以外に直感を磨く方法はあるだろうか?
それは、自分のとった行動、行った選択を、きちんと冷静に検証することだと思う。
将棋界には、感想戦という習慣がある。反省会や検討会と似たようなもので、対局が終わったあと、その一局を最初から並べ返して、どこが良かったか悪かったか、どこが問題であったかなどを振り返るのだ。(p.130-131)
そうそう。ボードゲームで学んでいても、将棋を習ったことのある子は負けたらすぐに感想戦みたいなのを対戦相手と始めます。で、2回目にはきちんとそれを修正できていることが多い。感想戦の大事さとか、きちんと伝えていきたいなあ*1。【→メモ:大局観】
- 作者: 羽生善治
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/02/10
- メディア: 新書
- 購入: 10人 クリック: 347回
- この商品を含むブログ (77件) を見る