語り合い、聞き合うことが求められている
鈴木謙介『サブカル・ニッポンの新自由主義』を読了。ものすごく興味深い本だった。読んでいて楽しくもあり、どうしたらいいのかわからなくもなり。すごく筆者の叫びが聞こえるような以下の部分、大好きです。
必要なのは「苦しい」と率直に言うことであり、そして互いにそれを聞き合うことだ。根拠などなくていい、美しく飾り立てる必要すらない。「このまま殺されるくらいなら、いっそみんなを殺してやる」と自らを追い込まないためにこそ、語り合い、聞き合うことが求められている。そしてそのための場所は、サブカルチャーを通じて、この社会には無数に用意されているのだ
社会科学の言葉と、文芸の言葉。形式としての客体と、声を上げる主体。いずれも私たちが生きていく上で、欠かすことができないものだ。「苦しい」と語り合う声が、いつしか「楽しい」と語り合う場を生み出すなら、そこにこの社会の希望がある。その希望こそは、私たちが「ほんとうに」幸せになるための社会変革を促す力になるだろう。
いろいろあるけど、でも、やるんだよ!【→メモ:サブカル・ニッポンの新自由主義】
サブカル・ニッポンの新自由主義―既得権批判が若者を追い込む (ちくま新書)
- 作者: 鈴木謙介
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/10
- メディア: 新書
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