これって理想の世界なの?
伊藤計劃『ハーモニー』を読了。おもしろかったなあ。名前だけは聞いていて、読んでみたかった伊藤計劃さんの作品。
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/12/08
- メディア: 文庫
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まず、見た目がおもしろいよ。ページを開くと、タグがいっぱいかかれているよ。HTMLをべたにタグ打ちしていた時代が懐かしい。最初は読みにくいけれど、途中からは慣れてきて気にならなくなる。あ、これって、この小説のテーマと同じだなあ。
もちろん、見た目がおもしろいだけじゃなくて、設定も本当におもしろい。体内に埋め込まれた医療分子が個々人の健康状態を常にモニターし、病気をいち早く発見してくれる社会。誰もが健康な生活を送れる理想社会、なんだけど、それってどうなの?幸せなの?タバコもアルコールも、とっくに社会からは排除。病気にならないように医療分子にさまざまなプログラムをインストールする…マトリクスもびっくりな舞台設計ですが、個々人の「意思」のあり方、社会の理想、そういういろいろを考えるきっかけになる。
現代社会の授業でディスカッションテーマに使えないかな、と思ったり。