日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

佐野栄寿(と鍋島閑叟)、すごいな~『火城』を読んだ

高橋克彦『火城』を読了。幕末ものといえば、まあだいたいは志士の側で描かれるものですが、政治の面からではなくて、科学の面から幕末を考えるという作品。具体的には、佐賀肥前藩鍋島閑叟を支えた学を志す人たちの話。主人公は佐野栄寿、後に日本赤十字社の生みの親として知られるようになる、佐野常民。類稀な行動力で幕末の佐賀藩を近代化していくために、仲間をどんどん巻き込んでいく。巻き込み力、はんぱねー。
いやー、めちゃめちゃおもしろかった。政治的にいかに力がなくても、遅れをとっても、科学が日本のために残れば、それはきっと国を守る役に立つ、という明確な意志が素晴らしいな、と。薩長土肥の中に食い込むだけのこたぁ、ある。

火城―幕末廻天の鬼才・佐野常民 (文春文庫)

火城―幕末廻天の鬼才・佐野常民 (文春文庫)

佐賀にがぜん興味が湧いてきた。ちょうど仕事で佐賀県と関係ができそうなところなので、楽しみ。佐賀県、行ったことないなあ。