佐野栄寿(と鍋島閑叟)、すごいな~『火城』を読んだ
高橋克彦『火城』を読了。幕末ものといえば、まあだいたいは志士の側で描かれるものですが、政治の面からではなくて、科学の面から幕末を考えるという作品。具体的には、佐賀肥前藩、鍋島閑叟を支えた学を志す人たちの話。主人公は佐野栄寿、後に日本赤十字社の生みの親として知られるようになる、佐野常民。類稀な行動力で幕末の佐賀藩を近代化していくために、仲間をどんどん巻き込んでいく。巻き込み力、はんぱねー。
いやー、めちゃめちゃおもしろかった。政治的にいかに力がなくても、遅れをとっても、科学が日本のために残れば、それはきっと国を守る役に立つ、という明確な意志が素晴らしいな、と。薩長土肥の中に食い込むだけのこたぁ、ある。
- 作者: 高橋克彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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佐賀にがぜん興味が湧いてきた。ちょうど仕事で佐賀県と関係ができそうなところなので、楽しみ。佐賀県、行ったことないなあ。