『赤めだか』がとてもよかった
立川談春『赤めだか』を読了。もともと、新年に見たドラマ「赤めだか」がとてもおもしろくて、興味があって買っていたもの。ドラマでは、談志がビートたけしで、談春がニノだったので、セリフ部分など、しゃべっっている声音は自動変換しながら読めてしまう。
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談志が、談春に言う以下のところ、本当にすごくいいと思いました。落語関係ないけども(笑)一流の芸人っていうものは、やっぱり何か凄みがあるのかもなあ、と。
「お前に嫉妬とは何かを教えてやる」
と云った。
「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何も変わらない。よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う」
馬鹿にはなりたくない。