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日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

山内祐平・森玲奈・安斎勇樹『ワークショップデザイン論 創ることで学ぶ』を読んだ

 山内祐平・森玲奈・安斎勇樹『ワークショップデザイン論 創ることで学ぶ』を読了。僕はワークショップ設計ではなくて、学校や塾の授業設計の方が好きだけど、考えなければならない点は共通している部分も多いので、勉強になりました。プロセスがこうして見える化されるのはよいな、と。

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ

 コルブの経験学習モデルなども、授業を設計するときに役立ちそうだな、と思いました。

コルブの経験学習モデル(p.9-10)

  1. 具体的経験から熟慮による観察
    • すでに経験したことを振り返り、その背景にある要因について、観察や想起によって深く考え、予測を導き出す。
  2. 熟慮による観察から抽象的概念化
    • 熟慮と観察から得た予測について、他の知識も動員しながら検討し、具体的な事例から抽象化して一般的な概念につなげる。
  3. 抽象的概念化から能動的実験へ
    • 生み出した一般的な概念を具体的な状況で確認するために、新しい状況で実験するための仮説を設定する。
  4. 能動的実験から具体的経験へ
    • 仮説をもとに、もう一度具体的な経験活動を行う。前回の経験との差分が、このサイクルで起こった学習になる。

 それから、紹介されていたベルガンティ『デザイン・ドリブン・イノベーション』(p.20)、読みたいな、と思った。

デザイン・ドリブン・イノベーション

デザイン・ドリブン・イノベーション


 活動目標と学習目標を分けて考えるというのもとても納得のいくもの。「楽しかった」で終わる授業をしたいわけではないので、しっかり学習目標を立てたいのです。

ワークショップが持つべきもの(コンセプト創る段階で)(p.52)

  • 活動目標:非日常的かつ内発的な楽しさを持つもの
  • 学習目標:参加者にとって日常に意味をもたらすもの

 ↓そうそう!と思いながら読んだ部分。

授業や教材の設計手法である古典的インストラクショナルデザインと異なる点は、学習目標から逆算して分析的に活動を考えるのではなく、活動目標と学習目標を結びつけながらパラレルに生み出す創発的なプロセスをたどる点である。生成段階では、(1)いずれかの目標を設定する(2)学習目標から活動を想像する(3)活動目標から学習を想像する(4)生成作業から離れる、という4つの行為を探索的に繰り返していく。(p.52)


 創造性の因子というのも、どうやって評価するのだろうという観点から非常に興味深かったです。これから、センター試験がなくなって大学入試も変わるし、AO入試のようにさまざまな観点から評価をすることが増えるようになるとすると、「創造性をどう評価するか」みたいなことは考えていく必要があると思うのです。
 評価ができれば(評価しきれない才能もあるとは思うけど)、それを教えることはある程度までできると思うので、評価軸を考えてみたいな、と思います。

ギルフォードが取り出した、創造性の因子(p.178-179)

  1. 問題に対する感受性:問題点を発見する能力
  2. 思考の流暢性:生成するアイデアの量
  3. 思考の柔軟性:異なるアイデアを広範に生成する能力
  4. 独創性:ユニークな答を出す能力
  5. 綿密性:具体的に工夫し完成させる能力
  6. 再定義:ものを異なる目的に利用できる能力


 ということで、単純に「ワークショップデザイン」という枠を超えて、いろいろと勉強になる本だった。授業や研修の設計をしている人たちにも、良いヒントがたくさん入っていると思います。