もう行けなくなってしまった場所への憧れ、というか執着
小林紀晴『ASIAN JAPANESE 3』を読了。このシリーズも3作目。シリーズとはいうものの、徐々に撮影される対象が変わってきているのがわかる。1作目は小林さんが会社を辞めた後に向かったアジアで出遭った日本人への眼差し。2作目はベトナムとパリという二つの国・都市の繋がりの中での小林さんの交差する眼差し(みたいなものを僕は感じた、というだけだけどね)。そしてこの3作目は、日本の中のアジア(?)である沖縄で自分を見つめている人たちのポートレートと、小林さんの故郷である諏訪での自分の内面とを切り取ったものになっている気がする。小林さんは写真家では歩けど、僕は彼の文章もとても好きです。興味のある方はぜひどうぞ。諏訪の御柱の祭についても書かれています。
TVで『恋愛旅行社』を見る。今日はねぷた祭りの特集。高校の同級生がねぷた祭り(2年に1回って知ってた?)のために集まったり、町じゅうが幻想的な光景と太鼓の音に支配されるのって、すごくいいなあ、と思った。祭りがあるようなところに住んでいなかったからでしょうか?何かあればいいのに…今、この歳になって始めて思いますね。前に住んでいた神戸市の灘では、だんじり祭というのがあって、見に行ったことがあったっけ。でも、そういう祭にアパートで一人暮らししているような人が入れるはずもなく、結局見てただけでしたね。
アパートから歩いて3分で八幡神社があったんですけどね。その神社にはきれいな石灯籠が並んでて。そこでいろいろな人と話したり、散歩に行ったり、1人で本を読みに行ったり…。思い出深い神社です。今も変わらず、セミがたくさん鳴いているでしょうか…。
自分がもう行けなくなってしまった場所への憧れ、というか執着は強い方だと思う。行ったことのないところに何度も行きたいというよりは、そこに行けば親しんだ風景があって大好きな人がいるところに行きたい、そういう旅が好きです。
- 作者: 小林紀晴
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
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