キーワードは教養
浅羽通明『大学講義・野望としての教養』を読了。「教養」というのが最近の僕のキーワード。山形浩生さんの『新教養主義宣言』以来、妙に気になってしまう単語で、この本も本屋で平積みされているのをちらりと見て、買ってしまった。なんと500ページ。よく読んだなあ、ちょっとサイズが変形版で大きくて、電車の中で読むのは顰蹙気味だったけどね。
この本で面白かったのは、学校がすごく特殊な場所だった、と言っていること。どこまでも同じ部屋(教室)が続く長い廊下とか、高い天井と…。そういう非日常の景色が恐怖を生み出し、学校の怪談のベースになっている、という話。学校では普通に感じられる風景のけっこう多くのものが、普通の家に住んでたら絶対に出会わない風景だ、ということにこの本を読んで気づいた。そういやそうだ、あんなに同じ部屋が続いているのは家では考えられない。そう考えると、どこまでも学校は近代の装置だなあ、とも思ってみたり。作られた場所。作られ、隠されたカリキュラム。そこに適応して、社会に適応していくのだろうね。
- 作者: 浅羽通明
- 出版社/メーカー: 時事通信社
- 発売日: 2000/06
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (17件) を見る