合理性について
ところで、「合理的」ってことを考えていて、1冊の本のことを思い出しました。経済学では人間はすべて合理的な選択をするという前提で話が進んでいきますが、それに疑問をもって、そして楽しさに目を開かせてくれた本で、アマルティア・セン『合理的な愚か者』。この本で、囚人のジレンマゲーム(こんなページやこんなページもあるんだな)を初めて知って、何ておもしろいんだろう、と思ったんだよね。合理的に判断していくと、みんなの不利益になる結果が出る、ってやつね。でも、この囚人のジレンマゲームを知って、協力すればいいってわかってた上でコミュニケーションをとっても、結局自分の利益最大化を捨てられるだろうか、相手を100%信頼できるだろうか、ってことを考え始めたの。それで、コミュニケーションの面白さ/不思議さを知ったようなもの。そこで方向転換して、ミクロ経済学からコミュニケーションとか教育の方に興味がシフトして、履修する科目も様変わりしたんだよなあ。ああ、懐かしい。まだうちにあるかな、この本。探してみよ。
- 作者: アマルティア・セン,大庭健,川本隆史
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 1989/04
- メディア: 単行本
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