日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

新幹線をつくった男

高橋団吉『新幹線をつくった男 島秀雄物語』を読了。「プロジェクトX」で出てきそうなタイトルだ*1東海道新幹線の開業を、技術面から支えた島秀雄さんの伝記。実はD51デゴイチ)も作った人で、本当に日本の鉄道をずーっと支えてきた人なんだな。日本の技術力の凄さを感じるエピソードがたくさんです。
東海道新幹線って、ずっとドル箱路線だし、安全神話などと言われて無事故ですが、開業当初からそういう評価があったわけではもちろんなくて、さまざまな障害を1つずつ潰して今に至っているのだなあ、と。当たり前ですが。
あと、島家の教育風土がいいな、と思いました。参考にしたい。

「ここぞという機会のあったときは、無理をしてでも子どもに投資する。それが将来、社会のため日本のためになる。そういう考え方が島家にはあったんです」(p.34)

っていうところとか、

島家では、何事につけ、手を抜くことを許されなかった。95点のテストを秀雄が目にすると、「なぜ5点減点されたか」と問われる。
毎日、夕食は7時定刻であったが、夕食後、母を手伝って食器類を片付けてからは、父・秀雄みずから勉強をする。毎夕、役所から紫色の風呂敷一包み分の書類を持ちかえっては、食後に目を通し、そして外国の文献を読んだ。
島は、酒が飲める。強い。しかし、酒量があがっても、額に青筋が一本立つだけで、決して乱れない。宴会は必ず一次会で切り上げて、帰宅する。そして、勉強した。
こういう父親が自宅にいれば、子供たちとて勉強せざるをえない。(略)
困難を努力で乗り越えて、高き志を。島家の子供たちが、暗黙のうちに教えられた家訓、いわば最低限のモラルだったのである。(p.255)

っていうところとか。単に新幹線をつくった人、というだけではなく、もっといろいろと学べる本でした。いい本に出会った。幸せ。[→メモ:新幹線をつくった男]

新幹線をつくった男 島秀雄物語 (Lapita Books)

新幹線をつくった男 島秀雄物語 (Lapita Books)

*1:きっと取り上げられているだろうな