どんなに悲惨な状況も、悲惨なばかりではないかもしれない
ピエトラ・リボリ『あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実』を読了。Tシャツがいったいどう作られて、どう運ばれて、消費者のところまで届いているのか、がわかるような本だろうと分析。大まか当たってましたね。テキサスの綿花畑→中国のTシャツ工場→アメリカでデザイン→出荷!みたいな流れ。
おもしろかったのは、筆者が中国のTシャツ工場の様子をレポートしてたあたりから。いわゆる、「女工哀史」的な感じではあるんですが、それでも「彼女たちが農村に縛られているよりはずっといいはずだ」というスタンスをとっていたこと。なるほどな、と思った。
先進国に住んでいて、勝手に「彼女たちを解放しろ!」と言うのはもちろん簡単なのだけど、現象的にはそれだけでは十分ではないよなぁ。いろんな見え方があるのは当然。何が真理か、ただひとつでないのも当然。そんな当たり前のことを、Tシャツという身近なものを通じて教えていく、という教材に、この本のアプローチはおもしろいかもしれないな、と思った。
あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実
- 作者: ピエトラリボリ,Pietra Rivoli,雨宮寛,今井章子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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