児童書の作法〜自己イメージを持つこと
児童書出版チームと打ち合わせをしていたときに話したおもしろい話。
最近の児童書は、行ったら行きっぱなしで帰ってこない、と。例えば『ハリーポッター』は行ったら行きっぱなしだ、と。一方、『ナルニア』とかは行って冒険をして帰ってくる。だんだん変わってきているのよね、という話。それを聞いて思い出したのは、こないだ読んだ山中康裕『ハリーと千尋世代の子どもたち』。こちらは、ハリーポッターと「千と千尋の神隠し」を題材にして、子どもたちの臨床心理と絡めて話をしていた本。なかなか興味深かったです。
- 作者: 山中康裕
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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最近の子どもたちに必要なのは、「自己イメージ=あるべき姿」を持つことじゃなかろうか、という話も出たっけ。で、スポーツ選手の方がそういう自己イメージを持てているような気がする、という話をする。例えば、浅田真央なら「自分が飛ぶべき=飛びたいジャンプ像」があるわけで、そこに近づけるために自分がどうすればいいかを考えて練習するじゃない?中村俊輔もきっと蹴りたいフリーキックのイメージがあって、そこに近づけるために練習をするじゃない?そういうことが、机上の勉強だけをしている人にはないような気がするんです、という話で盛り上がる。
「自分がどうなりたいか」というイメージを持つ癖=思考スタイルをつけることって、とっても大切な子育て要素だと思うな。だから、「あなたはどうしたいの?」といつでも訊いてあげたいと思っている。自分の子どもにも、教え子たちにも。