ぼくのメジャースプーン
辻村深月『ぼくのメジャースプーン』を読了。おもしろかった。不思議な言葉の力を持つ小学生のストーリー。赦し、罪、復讐がテーマ。死刑論議のときには必ず出てくるような「赦せない」状況*1に対する、力を持つ者の選択を、マイケル・サンデル先生の講義のように先達と話しながら考えていく。
しかし、言葉のこういう力って、現実社会にもあるよね。古来、日本に伝わる「呪(しゅ)」とか、これと同じじゃん。本当に力なんてなくても、その言葉を言われた人間は縛られるもの。怖いことだわ。
ま、そんな話ではあるものの、全体的には好きです。終わり方も好き。
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/07
- メディア: 新書
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*1:でも幸せなことにそんなことが自分の周囲で起こることはない