早朝に父として考える
東浩紀・宮台真司『父として考える』を読了。「父として」というタイトルに惹かれて購入。宮台さんも東さんもお仕事にとても興味がある言論者なので、楽しかった。おふたりとも、子どもとの時間を通じて考えたこととか、子どものことを考えての社会を見透す目だったりとかが、本当におもしろい。お薦め。父としての優しい視線が微笑ましいっす。
東浩紀さんが表紙の早稲田文学の表紙も紹介されているが、いいなぁ、この写真。で、最初の方で東さんが、
あとは、10年後あたりにこの本を発見した娘が、ぼくを軽蔑しないことを祈るばかりだ。
いや、本当は、娘が病気にも事故にも遭わずに10年後にもいまだぼくの傍にいて、この本を発見してくれるようなら、たとえ軽蔑されてもぼくは十分に幸せなのだろうけれども。(p.11)
と書いているのだけど、こういうのもいいじゃないですか。
宮台さんのお嬢さんの下のエピソードも好き。
複数のコミュニティへの所属は大切です。ある島宇宙ではトップだけど、別の島宇宙だとボトム。自分はできると思っていても、別のグループに行けばまったくできない。「世の中そんなものだよ」と教える絶好のチャンスです。そうしたら彼女の最近の口癖は「世の中そんなもんだよね」なんですよ。(p.219)
でも、こうして複数のコミュニティに所属しているのは大事だよなぁ。「世の中そんなものだよ」とももちろん言えるし、他のコミュニティがあるから我慢できたりすることもきっとあるじゃない?学校と、それ以外にうちの息子はどんなコミュニティを持つのかなぁ。楽しみ。
他にもいろいろと刺激的な内容が多かった。社会をどうしなければいけないのか。学校ってどんな場なのか、そういうのを考えるきっかけになりました。詳しくはいろいろメモ。[→メモ:父として考える]
- 作者: 東浩紀,宮台真司
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2010/07/10
- メディア: 新書
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