『カーニヴァル化する社会』を読んだ
鈴木謙介『カーニヴァル化する社会』を読了。おもしろかった。「繋がり」って何だろう、ととても考えさせられるなあ。
大学生などへの聞き取り調査から見えてくるのは、ケータイのアドレス帳があることによって、彼らの友人関係のイメージが確固たる形を与えられるということだ。たとえば、アドレス帳に登録されている限りは、普段はほとんど会うこともなく、また連絡を取り合うこともない「地元の友達」であっても、「友達」として関係が継続している、と多くの大学生が答えている。逆に、彼らはもはや「友達」とは呼べなくなった人を、折を見ては積極的にアドレス帳から削除しているのだ。
彼らの友人関係が、アドレス帳のレベルにまで切り縮められている、という氷菓は、おそらくは当たらないだろう。むしろここで生じているのは、対人関係が、何か事実的な繋がりを持った、体験に根ざしたものとしてではなく、<繋がりうること>へと意味的な転換を生じているということだ。そしてその<繋がりうること>を支えるのが、通信手段と一体化したアドレス帳なのである。(p.124)
ほんとだ、ケータイのアドレス帳って、友達の関係を見える化しているなあ。もう少しすると、Facebookがこうした役割を持つようになるだろうか。【→メモ:カーニヴァル化する社会】
- 作者: 鈴木謙介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/05/19
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