『デフレの正体』で学べるのは、経済だけじゃないなあ、と。
藻谷浩介『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』を読了。エビデンスに基づいてものごとを考える、印象に流されないで考える、ということの大事さを教えてくれる本。(経済的な読み方してないかもね・笑)でも、とても勉強になりました。
ここでご紹介した小売販売額や課税対象所得額、あるいはこの先で使う国勢調査のような、確固たる全数調査の数字は、現場で見える真実と必ず一致しますし、お互いの傾向に矛盾が出ません。一致しないのは、得体のしれない世の空気だけです。こういう空気というのは、数字を読まない(SY)、現場を見ない(GM)、空気しか読まない(KY)人たちが、確認もしていない嘘をお互いに言い合って拡大再生産しているものです。(p.69)
そんな感じになっちゃっているから、ダメなのだ、ということを淡々と説明されます。
「生産年齢人口減少」と「高齢者激増」の同時進行を、「少子高齢化」というズレた言葉で表現する習慣が、全国に蔓延しています。ですが「少子高齢化」というのは、少子化=子供の減少と、高齢化=高齢者の激増という、全然独立の事象を一緒くたにしているとんでもない表現であり、「子供さえ増やせば高齢化は防げる」というまったくの誤解の元凶にもなっています。さらには最も重大な問題である「生産年齢人口減少」を隠してしまってもいますね。(p.96-97)
もっとも重大な問題を覆い隠すなんとhなしの世の空気。もちろん、それに大きく影響を与えるマスコミやメディアなど。それらに流されずにきちんと情報を読める、冷静に判断できる人を育てるカリキュラムを作らなくては。本筋の経済だけではなく、そんなことを考えさせられました。【→メモ:デフレの正体】
デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
- 作者: 藻谷 浩介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 新書
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