ローマが危機から復活
塩野七生『ローマ人の物語 (8) 危機と克服』を読了。暴君たちの時代を経て、各地の軍団長がワラワラと皇帝になってはすぐに暗殺されたり自殺したりする時期を経て、これからいよいよ五賢帝の時代へ、というところ。
地方出身のヴェスパシアヌスが皇帝になり、ローマに入るまではヴェスパシアヌスをしっかり支える腹心ムキアヌスが、前に出過ぎず、汚れ仕事もやって、ヴェスパシアヌスを皇帝につけるあたり、今の日本にこういう人がいればなあ、と思わずにいられない。まさしくローマが危うく滅びそうな時期で、ヴェスパシアヌスからその息子たちの3代を挟んで復活するわけで。日本もこうならんかなあ。
ムキアヌスは、シリア総督でヴェスパシアヌスの上司だった人ですが、「自分をローマ皇帝に」と兵に言われたときに「自分よりも適任の男がいる」とヴェスパシアヌスを推挙したらしいです。かつ、本人を説得して皇帝の名乗りをあげさせて、ヴェスパシアヌス帝の即位後は皇帝を支えます。かっこええ。こういう男に、わたしはなりたい…
ヴェスヴィオ火山の噴火、ポンペイの消滅などもこのあたりの時代です。
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/09
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (15件) を見る