日本の戦争って…
半藤一利『ノモンハンの夏』を読了。ずいぶん前に実家から借りてきた本なのだけど、ようやく読み終わりました。淡々と事実が語られていって、エピソードがたくさん入る司馬遼太郎さんの書き方とは全然違う感じ。その分、読むスピードが遅かったかな。
しかし、日本陸軍の無計画性とか杜撰さはすごい。目を覆わんばかりだ…。これは読んでおくべきかもしれない。社会の授業とかでやればいいのに。実は司馬遼太郎『坂の上の雲』を並行して読んでます。こっちは日露戦争の頃の話だけどね。今、読んでる2巻で、日露戦争を始める前にすでに停戦を斡旋してもらうことになるだろうアメリカに対して外交的気遣いをしているシーンが出てくるんだけど、そういうところに同じ国家とは思えない用意周到さというか計画性が感じられる。もちろん、近代国家としての成熟度とか、置かれていた国際環境とか、いろいろな要因はあったにしても、そこに本当に数多くの犠牲があったことを考えると、本当に悲しいことだと思う。半藤さんの筆致にも無念さとか悔しさがにじみ出ている部分がある。
- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/04
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る