精神性メインじゃなく
司馬遼太郎『翔ぶが如く(九)』を読了。田原坂の激戦がメインです。「雨は降る降る 人馬は濡れる 越すに越されぬ田原坂」。薩摩軍が敗走を始めます。おもしろいのは、この時期の政府軍の司令官をしている山県有朋が、とにかく量で圧倒的に勝っていなければ仕掛けない、という考え方をしていること。戦争は兵力とか弾薬の数とかの数字の積み重ね、みたいなところがある。
「やればできる」「なんとかしろ!」「逃げるくらいなら死ね!」みたいなのは、むしろ薩摩側に多いのです。精神性で何とかなるところとならないところの見極めが大事。見極めてダメなら止める。当たり前なんですけどね。
人に何かをアドバイスしたりするとき、コーチをしたりするとき、精神的になっちゃってないか、いつでも考えておきたいところです。大学生の頃に後輩たちのコーチをやっていたときには、これが圧倒的に自分にはなかったなぁ、と思う。やっぱり、ちゃんとした知識とか技術に裏打ちされた人がきちんと教えるべきだったと、実は今でも申し訳なく思っている*1。
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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- メディア: 文庫
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*1:いや、自分がもっと勉強すればよかった、ってことなんだけどね