二番目にナマコを食べた人が偉い
三谷幸喜『三谷幸喜のありふれた生活(3) 大河な日日』を読了。ちょうどシットコム「HR」と大河ドラマ「新選組!」に関わっていた頃のエッセイ。どちらも好きな番組でした。特にシットコムは観客を入れて、その前でコメディを延々カメラをまわし続けて収録するタイプのドラマ。あまり日本ではないため、チャレンジングでした。で、そうした新しい試みについてのコメントが以下。かっこいい心意気だと思う。
「初めてナマコを食べた人は偉いという話を聞くが、それは大きな間違いである。どんな時代にも、変なものをふざけて口に入れるお調子者はいるのだ。本当に偉いのは二番目に食べた人。二番目があるかないかで、それが文化として定着するかどうかが決まる。続く人間がいなければ、最初の人間はただのおバカだ。
シットコムが文化として残るかどうかは、次に作る人に掛かっている。でもひょっとしたら次も僕かもしれないという不安(と希望)もあるわけで、となると僕はたった一人でナマコを食い続けたおバカさんとして、後世に伝えられるのだろうか。ま、それもいいけど。(p.46)
- 作者: 三谷幸喜
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2004/07/16
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (99件) を見る