日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

始める奴と終わらせる奴がいちばん偉い

火曜日、童門冬二『小説 小栗上野介を読了。幕末の幕臣勝海舟のライバルでもあった小栗上野介が主人公の小説。勝海舟とは違う意味で、日本という国のために幕府をどうするかを考えていた人。結果、彼は刑死するわけですが、彼が考えていたことのほとんど(廃藩置県とか、富国強兵政策とか)は、明治政府が引き継いでやっていくことになる。大隈重信が後年、「明治政府の近代化政策は、小栗忠順(上野介)の模倣にすぎない」と発言したほどらしい。僕らの年代だと、徳川埋蔵金でピンと来る人も多いかもね。
もちろん、最初に何かを始めてそれを継続させる人はえらいと思う。でも、それと同じくらい、幕引きをする人、終わらせる人もえらいと思う。引き際、散り際、土壇場のときにどんな働きができるかってのに、人間の価値はあるような気がするね。殿軍を務めるのがいちばん大変ってことですね。
ずいぶん読んでから気づいたけど、「上野介」っていう官位は、忠臣蔵でおなじみ吉良上野介と同じだね。

小栗上野介 小説

小栗上野介 小説