『よのなか』科からのインスパイア
藤原和博『世界でいちばん受けたい授業』を読了。もうずいぶん前に一度読んだ本ですが、再読。いま書いているカリキュラムの何か参考になれば、と思って。しかし、こうしてみると『よのなか』科がやりたいことと僕がやりたいことって驚くほど近いな。ヤバイ、近すぎる、というくらいに。差別化しなきゃなぁ。
特に感じているポイントは、お金についての部分。僕は、自分が政治経済系を出自にしていることも関係してか、書きたいカリキュラムが社会科学系に偏る傾向がある。そのなかでも、最近特に何とかしたいと思っていることが、そのものずばりページに書いてあって、「おお!」と思ったわけです。
諸外国の中等教育の教科書には登場しながら、日本の教科書で扱わないもののうち、子どもから大人になる過程で大事なテーマが2つあるとよくいわれる。
一つは「お金や商売の問題」、二つ目が「家の建て方の知識や、それとおおいに関わる家族関係の問題」である。(p.117)
そうそう。まったくお金や商売についてやらないよね。「お金を稼ぐ」ということが、自由を獲得することだったり、夢を実現することにつながっていく、という感覚が学校では絶対に得られないと思うんだよね。このあたり、しっかり教えないと。非正規社員でいることのリスクとかだってわからないし。それがわからなければ政治にも興味なんか持たないと思うし、根っこはここじゃないか、と思っていたりします。[→blog@Yui 世界でいちばん受けたい授業]
- 作者: 藤原和博
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/10
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
さらに、藤原和博『世界でいちばん受けたい授業2』も再読了。こちらは、前に読んだときにはそんなに反応しなかった記憶があるのだけど、おもしろいアイデア見つけた。それは、911後のジュリアーニNY市長が市民に呼びかけた内容を読んでいて、やってみたいなと思ったこと。ジュリアーニ市長は、以下の3つをアナウンスしたのだそうです:
- 「明日はどうか家にいてください」(→パニックを未然に防ぐ)
- 「ボランティアは十分に機能しているので、これ以上はけっこうです」(→混乱を未然に防ぐ)
- 「犯人を突き止めるのはFBIやCIAの仕事なので、市民にはそういうことは一切してほしくない」(→勝手に報復などしない)
3番目、とっても大事だよなー。911の背景や実際に起こったことを題材として、さらにみんなに市長になってもらって、何をアナウンスするかというのを考えさせてみたいな、と。
- 作者: 藤原和博
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2002/04
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る